遊びでビリヤードをプレーしている人たちを見ていると、
ブレイクショットが上手ければ、もっと楽しくプレーできるのに!
と思うことが多々あります。
例えばこのようなケース
これは極端に悪い例ですが、
ブレイクで球がしっかりと散らばらないと、ゲームがグダります。
狙いたい球が、直接狙えるポケットがないため、コンビネーションやバンク(クッションで反射させるヤツ)といった難易度が高いショットを多用しないといけないからです。
コンビやバンクはプロでもミスしやすいので、初心者がやっても入る確率はかなり低いでしょう。
なので、球を全体に散らばらせて、直接ポケットできる配置を作ることが重要な訳です。
これはナインボールでも、エイトボールでも変わりません。
それと、ビリヤード場でスタッフしていた頃の話ですが、
女性とデートで来られている方や、詳しい感じを醸し出している方でブレイクが上手くいかないケースを見て困っていました。
コツを掴んでもっと楽しんでほしいけど、アドバイスして面子潰しちゃうのは失礼だな~と思っていました。
ですのでこの記事でルールやコツを覚えて、格好いいプレーを披露していただければと思います!
ブレイクのルール
まずブレイクのルールをおさらいしておきましょう。
このフットスポットにラックを組みます。
ラックの組み方は後述します。
フット側の反対側の2ポイントをヘッドラインと言います。
手球をヘッドラインの内側(キッチン)へ置き、ブレイクします。
たまに、
台の真ん中(センター)にラックを組んで、フットスポットからブレイクしている方がいますが、間違えです!
これも是非覚えてほしいです。
ラックの組み方
ナインボールの場合
フットスポットに1番を置き、ラックを組んでいきます。
実際のプレーではこのような感じ
ナインボールでは、ヘッドラインの端からブレイクすることで、三列目の球がほぼ100%です。
これをサイドブレイクと言います。
ナインボールは、この位置からブレイクすることでブレイクでのシュート率が高いからです。
エイトボールの場合
エイトボールの場合は球を15球使います。
実際のプレーではこのような感じ。
エイトボールの場合は、正面からブレイクすることが多いです。
多少ズラしたとしても、ナインボールほど端までは移動させません。
何故かというと、左右対称ラックの場合は、正面からブレイクして2列目に2球をサイドポケットに狙うことが多いためです。
テンボールでもこのようなブレイクをします。
こちらはナインボールと違って、簡単に入る訳ではなく、テクニックが必要になります。
最初のうちはあまり考えなくても良いでしょう。
ブレイクのコツ:ラックシートを使おう。
ブレイクでしっかり球を散らせるためには、ラックでの隙間を無くす必要があります。
このような隙間があると、上手く散らなくなります。
これを解決するためにラックシートを使います。
様々な形のものがありますが、どれでも大丈夫です。
ナインボールでは、上記のものを使います。
大型施設やビリヤードに力を入れていない漫画喫茶でない限りは大概置いてあると思います。
エイトボールでは、これより一回り大きいものを使います。
5列目にも球が配置しやすい構造になっています。
こちらは店舗によっては置いていなかったり、数が少ないケースもあります。
店舗のスタッフさんにご確認ください。
これを使うと、隙間なくラックを簡単に組むことが可能です。
使い方を説明します。
まず、ラックシートをフットスポット真ん中に合わせて置きます。
球を並べて、ラックを組んでいきます。
多少の隙間があっても気にしないで全ての球を組み上げます。
両手を使って、矢印の方向へ球を押します。
隙間が埋まって、割れやすいラックになりました。
球を押すイメージが掴みにくいと思うので、僕が押しているところを載せておきます。
こんな感じでちょちょっとやると、隙間なく組めます。
エイトボールの場合も、色々な角度から押してみてください。
ナインボールの場合、隙間が空いているとサイドブレイクをしても球が入らないので注意してください!
ブレイクのコツ:正しい厚みに当てよう。
ラックを立てたら、実際のブレイクを行います。
が、この時にちゃんとした厚み(角度のこと)に当ててあげないと、球が散らばりません。
カス当たりして、球が全然散らばらないという経験をしたことがある人もいるのではないでしょうか。
ナインボールでもエイトボールでも同じですが、1番の真正面(全厚)に当てるようにしましょう。
左右にズレると、ブレイクでのイン率が下がったり、散りにくくなります。
真正面から当たった方が、手玉が持っている力をロスなくラックへ伝えることができるからです。
余談ですが、ビリヤード場で遊ぶときには、ブレイクマットを使いましょう。
画像で手球の下に敷いてある、丸い布の事です。
これは、ブレイクでラシャが痛まないようにするためのものです。
ブレイクショットは通常ショットよりも早く強烈なことが多いので、ラシャに穴が開いたりする危険性があるためです。
形状はお店によって様々ですが、台に置いてあることが多いので確認してみてください。
ブレイクのコツ:力まず、キューを早く振ろう。
ブレイクというと、身体を跳ねあがらせて、ドカーンとハードブレイクするイメージがあるのではないでしょうか?
土方隼斗プロのブレイクです。
めちゃくちゃカッコいいですよね~
こちらはフィリピンのジェフリーデルーナのブレイク
ハードブレイクと言えばこの人!というイメージも持っている方も多いと思います。
こんなブレイク、初心者はできません!
理由として、これだけ状態を動かしながらのブレイクは難易度が高く、狙いの厚みに当てることが難しいからです。
また、強くブレイクしようと力んだ結果、大したスピードも出ずにカス当たり…
ということも起こりえます。
ラックシートによって、散らばりやすくなっていますので、
初心者のうちは、このようなハードブレイクは一回頭の片隅に置いて、身体を動かさないブレイクをしましょう。
ハードブレイクの練習は、ビリヤードにハマって、ブレイクキューという専用のキューを買ってからでも遅くないと思います。
コントロール重視で、通常のショットの延長線上のようなイメージです。
ラックシートを使っていると、これでも全然割れます。
ナインボールの場合
サイドブレイクで3列目がきっちりポケットに入りつつ、結構割れてくれました。
エイトボールの場合
このくらい散らばれば、遊びでやる分には申し分ないと思います。
少なくとも、冒頭の動画よりは確実に良いですよね(笑)
トライアングルラックしかない場合
ラックシートがないという場合もあるかと思いますので、その時のコツを紹介しておきます。
ラックシートがない場合、トライアングルラックというものでラックを組みます。
普段ビリヤードをあまりしない人にとっては、こちらの方が馴染み深いという方も多いのではないでしょうか。
木ラックなんて言ったりもしますね。
トライアングルラックで組む場合は、ラックシートより隙間が空きやすいので、いかに隙間を少なく組めるかが重要です。
ラックシートを用いる場合と同様、指でちょちょっとやって隙間を埋めます。
トライアングルを取り外すときに、ラックにぶつけないように気を付けてください!
エイトボールのラックをトライアングルラックで組んでみました。
ひたすらに触って隙間を埋めていき、ぶつけないようにスっとトライアングルを取ります。
実際にブレイクしても、結構割れてくれました。
ナインボールの場合
割れることは割れるんですが、サイドからブレイクしても3列目が入らないですね…
ラックシートを使える場面がほとんどなので、あまり必要ないかもしれませんが、覚えておいて損はないと思います。
余談ですが、アメリカのトッププロであるシェーン・バン・ボーニングはインタビューにて
木のトライアングルラックを使う試合では、ブレイク前に注意深くラックされたボールを見ていますが、あれは何を見ているんですか?
という質問に対して
練習で数えきれないほど自分でラックを組んできた。だから、ボールの動き方のパターンはある程度わかっている。ポケットに向かうかどうかもね。ラックからたくさんのことを学んだよ。
引用元:billiards days
と回答しています。
世界の大きい試合だと、トライアングルラックの試合があったりもするので、慣れているんでしょうね。
それでも、レベル高いです…。
そんなシェーン・バン・ボーニングのブレイク動画も載せておきます。
この記事を読んでいる方々の参考になるかは怪しいですが、こういった奥深さがあるのもビリヤードの魅力ですよね~
まとめ
読んでくださった皆さんが、楽しくビリヤードできることを願っています!
最後まで読んでいただいてありがとうございました。