【ビリヤード】ナインボールの魅力

ビリヤード
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18歳でビリヤードを始めて早9年、がむしゃらに練習し、たくさんの試合に出てきました。

学生時代は4年間ビリヤード場スタッフとして働き、たくさんの愛好家とプレーしてきました。


そんな自分が一番思う事、


一般の方々にビリヤードの魅力が伝わってねぇ


これは大きな問題ですよ。

こんなにも面白い競技なのに、その魅力が十分に伝わっていないというのは。

では、なぜ魅力が伝わらないのか、私なりに考えてみました。

それは、

プレイヤーと初心者・一般の方々のレベルに差がありすぎて、何が起きているのか分からない。

という仮説です。

例えば、日本ではナインボールが競技としてよくプレーされるわけですが、

普段ビリヤードをされない方のプレーをお見掛けすると、こういったケースが散見されます。


9番入れた方が勝ちなんだから、どの玉からでもコンビネーションで9番入れにいこう!

これはナインボールの正攻法ではありません!

では、経験者の方はどういう事をやっているのか?

今回はそういった部分を説明しながら、ナインボールの魅力を紹介したいと思います。

ナインボールとは

詳細なルールは他サイトにお任せするとして、ここでは大まかな流れを説明します。

ナインボールの勝敗の決定方法について

9番を入れると1点獲得になり、先に指定された点数を取った方が勝利と決めます。

じゃんけんをやるときに、先に3回勝った方が勝ちというふうにやるのと同じです。

3点(セット)先取や、5点先取など、試合によって様々です。

世界選手権などのトッププロが競い合う試合では11点先取などの長いゲームがあります。

試合の流れ

ブレイクショット:ラックと呼ばれる塊を手球(白い球のこと)を撞(つ)いて割る。

台上の玉を落としていきます。

この時、台上の玉は、必ず最小番号の玉から当てないといけません。

また、球を入れる(ポケットする)ことができれば、自分のターンが継続します。

玉を外すと、相手と交代です。

9番を落としたプレイヤーが一点を獲得します。

9番を入れたプレイヤーがラックを組みなおして、再度ブレイクショットを行います。

どちらかのプレイヤーが指定された点数に到達するまで繰り返します。

これが大まかな流れになります。

ナインボールのセオリー「マスワリ」とは

では、どうやって相手より先に、9番を多く落とすのか?

これについて上級者は

を入れると自分のターンが継続する

という点を利用して、

ブレイクショットから9番までノーミスで球を入れ続けて1点を取ります。

これを「マスワリ」と言います。(英語では、ブレイクランアウトと言います。)

ずっと俺のターンだから、相手は何もできずにやられる…という事になります。

※日本ではラックのことを「マス(桝)」と呼び、それを割る(ブレイク)することから命名されたそうです。

試合では、基本的にこのマスワリを狙いに行くのがセオリーになります。

これは、実際に僕が練習でマスワリしたときの動画です。


意外に簡単そうに見えるかもしれません。

こんなにあっけなくできると、

ずっと俺のターンで、先攻逃げ切りで全部勝つのでは?

と思う方もいらっしゃいますが、

プレーしているのは人間なので、ミスして交代するときもあります。

また、ブレイクショット後に狙う球と手球の間に他の球があり、直接狙えないなんてこともあります。

このような場合、クッション(壁から反射)や、ジャンプショットなどで狙うので難易度が上がります。

※ジャンプショットはやったことが無い人はやらない方が良いです!

 専用の道具(ジャンプキュー)が必要で、かつラシャ(台の布)を痛める可能性があるためです。

そして、プレイヤーが交代したら、またその選手が9番まで取り切り、

そのまま次のラックでマスワリを狙いに行く。

というのが試合の流れになります。

つまり、ミスが少なく、マスワリを量産できる選手が強いという事ですね。

では、どうすればミスを少なくして、マスワリ率を上げられるのでしょうか。

マスワリに必要なテクニック①:ポジション力・取り方

マスワリ率を高めるためには、そもそもの確率が低いような難しい球を撞かないことが重要になってきます。

確率が低い球はこういったものが挙げられます。

  • 手球と先球(狙う球)の距離が遠い。
  • 先球とポケットの距離が遠い。

手球と先球が遠い場合も、先球とポケットが遠い場合も、

角度(ビリヤード用語で”厚み”)が、狙いから少しでもズレると、ポケットへ到達するまでに大きく影響するため、難易度が高くなります。

  • 凄く角度のついた球(薄い球)

こういった球は、ポケットに狙う角度(厚み)がかすらせるくらいしかない(ビリヤード用語で”薄い”)ため、狙いの角度を狙うことが非常にシビアなため、難易度が高いです。

  • 直接狙えない球

手球と先球の間に他の球があり、邪魔をしているようなケースです。

こういった場合、壁(クッション)から反射させて入れたり、ジャンプショットをしなければいけません。

このようなショットは、クッションからの反射具合や、ジャンプの飛び具合を調整するのが非常に難しいので、シュートの確率は下がります。

こういった確率の低いショットを避けるために、ポジション力が必要になってきます。

ポジション力というのは、手球に回転をかけたり、あえて角度のある球を撞くことで、手球を思い通りに操り、次に狙う球が簡単になるようにコントロールすることです。

手球が壁(クッション)に当たった後、どのような軌道で進むのかなんていうのも考えてプレーします。

こうして、確率の低い球にならないように工夫しながら、9番まで辿り着いていきます。

この、コントロールして9番までたどりつくまでの道筋を考えることを取り方と言います。

9番にたどり着くまでにいかに確率の高いショットだけを使える道筋を選べるかが、マスワリの達成率に大きく影響してきます。

こういった要素は、将棋やチェスのようなボードゲームに似ているのかもしれません。

しかし、ビリヤードの魅力はこの取り方を頭で理解しているだけでは不十分だという事です。

マスワリに必要なテクニック②:取り方を実現するための技術

どんなに理想の取り方を描けても、それを実現できる実力が無ければ再現はできません。

では、どういった技術があれば、理想の取り方を再現できるのでしょうか?

大まかな要素として、以下を考えてみました。

  • 様々な角度の球を入れることができるシュート力
  • 弱から強までの様々なショットスピードで撞き分ける力
  • フォローショット(前回転)やドローショット(バックスピン・引き球)、ヒネリ(横回転)といった回転をコントロールする力
  • 様々な台のコンディション(クッションからの反発具合や、ラシャのスピード)に対応する力
  • ブレイクショット後の配置(球の散らばり方)をコントロールする力


こういった技術を駆使して、頭の中で思い描いた取り方を実現していくことが求められます。
先ほどのマスワリ動画をもう一度見てみてください。

敢えて角度を付けたり、手玉に回転を与えてコントロールしているのがわかるのではないでしょうか。

また、

この技術だけを極めまくれば、どんな配置でもマスワリが出せるんじゃないか?

と思われる方もいらっしゃると思いますが、そう簡単な話ではありません。

確かに、技術力が高ければ、難しい角度の球や、遠い距離の球を入れる確率は高くなるでしょう。

ポジションをミスしても、クッションやジャンプを利用して、カバーすることもできます。

しかし、難しい球というのは、精神的負担が大きいんですよね。

  • 難しい球の厚みをシビアに狙う。
  • ポジションのために、撞点(手球の上、下、左などのどこを撞くかで回転が変わる)を細かく調整する。
  • 強烈な回転をかけるようなショットを使用する。

ということを繰り返していくと、集中力を使うので疲れてきます。

試合はトーナメント形式が多いですから、そういったことを繰り返していくと、トーナメントの後半でバテて、本来の実力が出せなくなってきます。

なので、確率の高い取り方と、それを再現する技術の両方が必要になってくるというわけです。

余談ですが、そういった難しいショットがここぞという場面で必要になることもありますし、

そういったショットが派手で面白いというのも、ビリヤードの魅力の一つであることは間違いないでしょう。

僕ももちろん好きです!

まとめ

今回はビリヤードの基本的なルールの解説と、経験者が何をやっているのか解説してみました。

抽象的な話が多かったですが、ナインボールの面白さ、奥深さが伝われば幸いです。

  • 確率の高い取り方って何?
  • どうやって球を狙えばいいのか?
  • 回転ってどうやってかけるの?

といった技術の詳しい説明は、調べればたくさん出てきますので、興味をもった方は調べていただければと思います。

今回は技術的な要素に絞って解説しましたが、ビリヤードの魅力って他にもたくさんあるんですよね。

  • 試合での緊張感・メンタルコントロールとか
  • 道具のデザイン・性能
  • ビリヤード場という空間での人との繋がりとか

などなど、語りだしたらきりがないくらい、

たくさんの魅力がありますので、また紹介できればと思います!

最後まで見ていただきありがとうございました。

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